風の館からの便り(つれづれなるままに) No.333
                                                                           

   2016年8月22日(月)
      親の顔を見ると安心できる関係性

 親になるということは、子の安心安全を中心に思考し、行動することができるようになることです。ところが、思い通りにならなくなった子どもへの不安や心配を抱えていくことはとても苦痛を伴うので、無意識に子どもに関わらないようにすることで、自分の安心安全を守ろうとしていることがあるのではないかと心配する事例が見うけられます。
 例えば、子どもが塾に行きたくないといった時、どう子どもに接していますか。親の側のニーズとして、「ぐずぐず言わないで行きなさい」というか、ぐずぐず言うことに耐えられないために「休んでいい」と答えることはありませんか。親の判断が本当の意味で子どもを気づかったものであるのかふり返ってみることが必要です。親がいらいらや不安を感じないでいられるために答えてしまっていることで、子どもの将来のためにならないことに気づいてほしいのです。
 子どもはみんな親を求めています。我が子が何をつらいと思い、悲しいと思い、いやだと思って毎日を過ごしているのか。どんなことが楽しいと感じ、何をうれしいと思っているのかわかろうと努力することで、子どもは親の顔を見ると安心することができるようになり、前に進む力を得ることができるのではないでしょうか。


   2016年8月23日(火)
      実りの秋をむかえて

 5月22日に田植えをした稲も稲穂が垂れ下がってきました。来月初めには稲刈りをしようと準備をしています。田植えをした後、朝夕田んぼを見回り、水の管理や病気や虫の被害が発生していないか目を配る毎日が続いてきました。農作業をしたことのない人にはわからない苦労の日々が続くのです。だからこそ、農家にとっては実りの秋を迎えると、収穫できるまで自然災害に遭わないように八百万の神々にお願いする毎日です。稲刈りをして、稲木あしに掛け、約2週間ほど天日で乾かした後、脱穀して籾を収穫するのです。
 亡くなった父が農作業していた昭和の時代は、農業収入で1年間家族が生活することができていました。今は農業だけではやっていけません。企業の儲けの部分が高く、農家の手取りは赤字です。肥料や農薬、農業機械がとても高くなっているのです。子ども達は農業を見捨て、他の仕事に就いてしまいました。私ももうすぐ70歳、あと何年農業ができるか心配ですが生きている限り、父から引き継いだ農作業は続けてやっていきます。畑や山の手入れもおろそかにできません。山や田畑を手入れせず放置しているから、自然からしっぺ返しを人間が、今受けているのです。水田の保水機能と山林の治水機能を高める政策を推し進めなければ、水不足や川の氾濫で災害が多く発生するようになります。自然災害ではなく政治災害なのです。政治家の皆さん、日本の将来のためにしっかり考えて政策を進めてください。