風の館からの便り(つれづれなるままに) No.302
                                                                           

   2015年3月12日(木)
     知ったことの喜びが、もっと知りたいという意欲に

 どうして子どもたちが受け身になっていると感じるのでしょうか。大人があまりにも口を出しすぎて子どもたちが失敗は許されないと感じ、言われたことしかしなくなっているのではないかと心配します。
 校庭で夢中になって遊ぶ子どもの姿がめっきり減ったように思います。子どもたちの周りにたっぷりの時間と空間がつくられているのかちょっと立ち止まって考えてみたいものです。バス通によって小川での寄り道もなくなり、登下校の安全に通学路は整備され、はみ出すことが許されなくなっています。
  動物の世話を体験することで、命に触れ、不思議さや世話の大変さを実感でいたものですが、今は学校からニワトリやインコ、ウサギが見えなくなりつつあります。動物園に行くこともまれになっています。象やキリンはどのようにして寝ているのだろうとトラやライオン、ニワトリの姿と見比べて疑問に思う機会もないのではないでしょうか。
 トンボはどうして飛びながら空中に止まることができるのだろうと、なぜ、どうしてと納得がいくまで繰り返し観察できる場も少なくなっています。
 ワクワク、ドキドキといった心の躍動の場を設け、「おや、何だろう」と興味を持ち、自分の五感を使って確かめ、わかったという喜びが、もっと知りたいという意欲を生むのではないでしょうか。


   2015年3月13日(金)
     学校と保護者・地域の人たちと共に

 教育の内容や方法について、さまざまな改革が行われていますが、最も大切なことは、学校で教師が「読み書き計算」と人間としての生き方を使命感と信念を持って教え導き、親と地域の人たちは基本的生活習慣と社会生活の中で守るべきルールをしっかりしつけてやることではないでしょうか。
 確かな学びに必要な規範や社会性、人間関係、家庭学習習慣等が身についていない、夢や希望が持てない子どもたちが増え続けているのではないかと心配します。
 考える力には、知識が必要です。そのための第一歩として、授業に取り組む姿勢や規律を確立させたいものです。挙手や発表の仕方、言葉づかい、話や発表を聞く態度など授業に臨む規律やしつけがきちんと身につけば、落ち着いて授業を受け、集中して取り組め、意欲の喚起にもつながります。
 家庭や地域で基本的生活習慣とマナー・ルールをきちんと指導して身につけることができる環境を共に創りあげましょう。