風の館からの便り(つれづれなるままに) No.300
                                                                           

   2015年2月16日(月)
     学習意欲

 学力が落ちてきていると言われますが、今の子どもたちに本当に落ちてきているのは学習意欲ではないでしょうか。人間は、何かに興味を持ったなら黙っていてもいろいろ調べていくようになるのではないでしょうか。今の目の前の子どもたちには、それが感じられません。
 ありにも便利になりすぎて、身のまわりにある物がほとんどブラックボックス化してしまっているのです。興味を持とうとしてもその機会がないのです。道具や用具や機器がトラブルを起こしても、自力解決できず、外注に回してしまいます。テレビなどを電気屋さんに持ち込んでも、修理点検は県外の専門工場に送り、数日後に返ってくるのです。何がどうなっているのか故障の原因は販売する人もわからないのです。また、知らなくても品物を売ることはできるのです。
 使う人もトラブルが起きるとすぐ別の物を購入し、買い換えて使用するのです。物品の使い捨ての時代はまだ続いているのではないでしょうか。使えなくなった物の中には、ちょっと工夫すれば使える部品はあるのですが、ほとんど使われません。ゴミとして埋め立て処分されてしまいます。業者の中には山の斜面に投げ捨ててしまう不法投棄の事例も私の住んでいる地域の山道では見受けられます。警察に通報し、事件として捜査してもらい、行政の責任でかたづけてもらいますが、もう少し世の中の物のサイクルをみんなで考えてもいいのではないでしょうか。
 ブラックボックスになっている部分を探求できる機会をつくり、世の中にはおもしろいことや不思議なことがたくさんあることを体験させることを子どもたちの与えることが第一だと考えます。

   2015年2月17日(火)
     学んだ力を、さらに生かすことができる児童に

 子どものやる気や願いは、知りたい、わかりたい、できるようになりたいと思っているのですが、担任のあなたはどこまでかなえてやれているのでしょうか。
 授業で子どもが自分で考える楽しさを味わっていますか。担任が一方的におしゃべりし過ぎていることはありませんか。45分の授業で教師の説明は10分以内で最大15分まで、残りは児童が自分で活動していけるように授業計画ができないものでしょうか。
 学級経営のいろいろな課題の原因は、すべて担任である我にありという自覚を持つように心がけましょう。何か問題が生じると、自分の未熟さや不注意を棚に上げ、他の者を悪者にしてしまう他罰傾向が見られる時があります。自分の何を改善すればいいか自省することができれば、次の発展につながるのです。
 そして、ハウツーの研修からの脱却も心がけましょう。自然に学び、良書に親しむのです。どう教えるかも大切ですが、それ以上に教師自身が教える内容を本当に納得できているか考えてみましょう。トマトやカボチャを植える時に植え方の指導はやっても、なぜ自分が植えようとしているのか児童に考えさせているでしょうか。「教科書にあるから植えとけ」では児童は活動の楽しさや喜びを知らずに過ごします。きちんとした意味づけをしてやってほしいものです。体験活動でおこなうカボチャ、種をまきますか、それとも苗を買ってきて植えていますか。