なぜ学級でみんなといっしょに学習するのでしょうか。それは、お互いの異なるものの見方・考え方から相互に学びうること、その中から個人の考え方を上回る知恵を見出すことを学びたいからです。各人が積極的な参加意識を持ちながら活きた学習を行い、結果としてその集団の能力向上を行うことが可能となるのです。個性を育てる教育とは、各人の豊かな個性の違いを主張させるだけではなく、お互いの異なる個性を尊重し、お互いに学び合う姿勢を育てることが、すなわち個性を育てることであると思えるのです。異なる点を理解することのできる人を育てることが求められているのです。
教科書に書かれた知識を教育することは、比較的簡単にできます。全てが明快な言葉で書かれており、それをそのまま伝えればよいからです。しかし、なぜそのような考え方が必要か学ぶ側に積極的な学ぶ意欲「動機付け」がなければ教える側が何をしても全く無意味で何も伝えることはできないのです。
学ぶ側が自らの努力と工夫から勝ち得た知識は活きた知恵となり、その応用範囲も広がりますが、受け身の姿勢では折角の新しい知識も単に知っているだけの死んだ知識となってしまいます。