風の館からの便り(つれづれなるままに) No.257
                                                                           
  2013年9月29日(日)
   住み慣れた地域で元気に生活するために


 まず、日々の自分に任された仕事があることです。何か社会の中で役立っていると感じることのできる仕事を自分もやっているんだと自覚できれば、自分に有用感を感じ、がんばることができるのではないでしょうか。
 中山間地で暮らしておられるおじいさん、おばあさんが元気に日々を過ごしておられる姿を見聞きするにつけ、見習いたいものだと日々思っています。
 住み慣れた土地で元気に生活する手本を示しておられるようで、挫折感で家に引きこもってしまう都会の若者にいっしょに住んで生活してみることをおすすめします。理屈ではなく、自分が体感してこそ自分の姿を見つめることができるのではないでしょうか。
 次に家の造りを少し改造しましょう。以前の集落では、縁側に腰を下ろしておしゃべりする所があちこちにありました。ところが今は、アルミサッシに囲まれ、人が立ち寄ることを拒んでいます。これからは近所の人がちょっと立ち寄ることのできる空間を作るのです。近所の人同士がつながり合う場所を自分たちで設けるのです。そして自分でつくった漬け物などを持ち寄り、おしゃべりをするのです。
 テレビを見続けるのではなく、人同士がおしゃべりすることで、社会の一員であるという実感を味わえるのです。テレビを見ながら返事の返ってこない画面に向かって独り言をボソボソとしゃべり続ける姿を想像すると少し寂しく感じます。人と集い、楽しくおしゃべりすることで、人とのつながりを感じましょう。

   2013年9月30日(月)
    すてきなぬくもり


 親子の会話が全く成立していない現状があることに気づいていますか。お母さんはメールに熱中し、子どもが話しかけても手を休めないで返信していることはありませんか。親と子、お互いの信頼関係を大人が壊しているのです。話しかければ、それを笑顔で受け止め、やさしく応えてくれる体験の繰り返しが、人に対する限りない信頼関係を形成する基盤なのです。楽しく話したり聞いたりすることで、子どもはいっそう親を信頼し、愛されていることを実感できる機会となるのです。
 子どもは自分の名前を呼ばれ、大好きと言われることで安心感を味わい、ぬくもりを感じているのです。名前は幸せを願ってつけてくれた人がいることの証なのです。ところがだんだん名前を呼ばれなくなります。「おい、おまえ・・・」「パパ、ママ」
 きちんと名前を呼ばれることで心が落ち着き、相手への接し方に変化が見られます。やさしさが伝わり、やさしさを返すことが始まるのです。話を聞いてもらった喜びや話を聞いて得た喜びを実感するといった体験も大切です。しつけは子ども達に語りかけることから始まるのです。子どもには身近な大人の話をしっかり聞くという躾をすることが必要です。親や周りの者がやって見せ、やらせてみてうまくできれば認めてあげるといった適切な指導を行うことによって身につけさせていくのが躾なのです。ただ口で説明し、言って聞かせるだけでは実行できないのです。
 家族の時間を大事にする集団にはイジメはありません。自分の都合だけで行動するのではなく、相手への気づかいを伴って考え、行動していきましょう。