風の館からの便り(つれづれなるままに) No.252
                                                                           
  2013年7月30日(火)
     「お互い様」


 思いやりの心を持ち、「お互い様」の言葉に代表されるように近隣での相互扶助、相互援助を美徳として生活していました。
 ところが現状は、物が豊になり、家もアルミサッシに囲まれ人づき合いも少なくなってきています。日なぼっこのできる縁側が近所から消えてしまいました。子ども達の中にも他者とうまく関われない子どもが増えてきました。また、協働して地域の中で活動することから逃げようとする大人も見られるという現状にあります。
 ボーリング場やカラオケスナックなど大勢の人に囲まれた中で楽しんできたものですが、今では人に見られることに耐えられないと個室ボーリングが多くなってきています。個室ボーリングってわかりますか。レーンの部分は開放されていますが座席や投球エリアは隣と仕切られているのです。
 また、スナックなどで歌を歌って楽しむより、自分一人、カラオケボックスで歌う人が多くなってきているように思います。
 お互い様の気持ちが薄れ、人の世話のできる人がだんだん少なくなってきているようで、私は少し寂しく感じています。青少年の健全育成のためには、お互い様の気持ちで支え合う人づき合いのできる姿を子どものモデルとして大人が見せることがぜひ必要なのです。支え合う関係の中には「ありがとう」の言葉が多く交わされます。今取り組んでいる「ありがとう100回運動」には、近隣での相互扶助、相互援助を美徳として生活する大人の生き様が求められていると私は考えます。
 今の生活スタイルを少し立ち止まって考えてみることも、青少年の健全育成のためには有意義なことなのではないでしょうか。

   2013年7月31日(水)
    指導力の向上を求めて(その4)


 教師は子どもと一緒にいる間は自分のしていることを反省したり考えたりしている暇はありません。子どもの中に入り込み、一心不乱に指導にあたっています。子どもが帰った後で朝からのいろいろなことが思い返され、自分の指導を振り返ることができるのです。大切なのはこの時です。この反省を重ねている人だけが真の指導者として成長し、翌日に一歩成長した指導者として子どもの中に入り込んでいけるのです。
 では、具体的にどのようなことをふり返って考えればいいのでしょうか。大きく4つの側面、教師としての姿勢と技について(1)授業構成力、(2)授業の勘・センス、(3)授業コミュニケーション力、(4)意欲向上力から見ていきます。
 最後の(4)意欲向上力について
 意欲向上のためには、学習内容に対して子どもの興味関心をどう深めていくのか考えなければなりません。教科書にあるので説明し、わからせるだけでは不十分なのです。何をきっかけにして子ども達の視点を学習内容に向かわせるか工夫することが最も大切なことです。
 次に、ユーモアを交えた話し方を考えましょう。同じ内容を伝えるにしても相手が考えるようなユーモアのある話し方ができれば、話に引き込まれてじっくり聞くようになります。
 課題の出し方も考えてみましょう。インパクトのある課題提示ができれば、意欲向上につなげることができます。子ども自身にやる意義が理解できるので、自分の脳みそをフル回転させ考え、相手の話をしっかり聞き、内容を身につけようとするからです。
 導入方法も工夫してみましょう。視覚的なものを準備するか、子ども達の体験をもとに出発するのか、いろいろ授業の始まりを工夫することで、子ども達の心に授業に向かうワクワク感を持たせるのです。このワクワク感のないまま授業が進行すると、ただ聞き流すだけの行動となり、児童の主体性を育むこともできません。主体的に授業に取り組むのと、そうでないのとでは結果に大きな違いが出ることは、今までの授業展開から容易にわかると思います。
 また、子どもの耳元近くでその子だけに聞こえる「ささやき」も大きな効果を生みます。全体指導だけでなく、その子が必要としている情報や励まし、ほめ言葉をささやくことで二人の関係がより深まり、子どもからの信頼関係が強まり、子どもの安心感につながるのです。