私たちの周りには注意アナウンスがあふれています。街に出て買い物をするにも、列車に乗るにも、商店街でもエンドレスリピートでアナウンスが流れています。例えば、エスカレーター。「手すりをしっかり握って足もとの黄色い線の内側にお乗りください。小さなお子さまをお連れのお客様は、必ず手をひいて真ん中にお乗りください。」例えば、動く歩道。「まもなく終点です。足もとにご注意ください。まもなく・・・。」駅のホームに、車内アナウンス等、日常的に私たちの生活に染みこんでいるこの親切なアナウンスがなくなったら、人々はどうなってしまうのでしょうか。
「ああしましょう。こうしましょう。」という注意喚起は本当に多いのです。それは、私たちのためを思ってのことかもしれませんが、よく考えてみるとわざわざ言う必要があるのでしょうか。席をゆずる、ケイタイ電話をマナーモードにする、列車の中では通話をしない等当たり前のマナーを諭すのもやさしさかもしれませんが、この注意アナウンスがなくても相手に注意できる強さもほしいと思うのですが、今の日本人は弱いのでしょうか。立ち上がれ、日本人よ。
教師は子どもと一緒にいる間は自分のしていることを反省したり考えたりしている暇はありません。子どもの中に入り込み、一心不乱に指導にあたっています。子どもが帰った後で朝からのいろいろなことが思い返され、自分の指導を振り返ることができるのです。大切なのはこの時です。この反省を重ねている人だけが真の指導者として成長し、翌日に一歩成長した指導者として子どもの中に入り込んでいけるのです。
では、具体的にどのようなことをふり返って考えればいいのでしょうか。大きく4つの側面、教師としての姿勢と技について(1)授業構成力、(2)授業の勘・センス、(3)授業コミュニケーション力、(4)意欲向上力から見ていきます。
3つめの側面(3)授業コミュニケーション力について
授業コミュニケーション力として5つの視点を考えました。
まず聴く力です。授業の準備がしっかりでき、心が安心している時は、相手の考えや意見を落ち着いて聴くことができます。反対に準備不足や不安感を抱いている時は、聞くことができません。どうしてなのでしょうか。
見る力も同じようなことが言えます。心の持ちようで見えているものでも気にかけることができず、見逃していることがあるのです。
話す力はどうでしょう。自分の話している声を聞き返したことがありますか。カセットテープやMD等に記録し、1日をふり返る時に聞いてみてください。声の調子や強弱高低など聞きやすさの面で工夫することに気づくことが、次の話す力の向上につながるのです。一度も聞いたことのない人は、すぐ実践してください。
次に、対話育成力の向上は、授業展開の場面で必要になってきます。いつも黙って聞くだけの子どもを見かけませんか。人と対話できる、自分の考えを伝えることが人との関係づくりの出発点です。笑顔で、はっきりした口調で、わかりやすく簡潔にまとめて意見が言えるように、どんな場面を日々あなたは創るようにしていますか。
最後に、自由な空気づくりは、学級経営の要です。ぴしっと張りつめた中にも安心して自分の考えが発表できる教室の雰囲気が必要です。間違えたら笑われたり、無理矢理発表を強いられたりするようなことがあっては、安心して考えたり発表したりすることができないのですが、あなたの学級の様子はどうでしょうね。
何かあれば相談に応じますので、連絡をください。