風の館からの便り(つれづれなるままに) No.247
                                                                           
  2013年5月10日(金)
     伝承行事の継続を


 少子高齢化の進行に伴い各地域で伝承してきた民俗芸能や伝統行事ができにくくなってきています。子ども時代に味わった四季の変化に伴った七夕行事など各種行事が今は消えつつあります。保育園や幼稚園の行事でかろうじて残っているものもあり、大事にしていきたいものです。
主なものをあげてみると、お花見会、子どもの日の集い、七夕祭り、夕涼み会、盆踊り、十五夜、中秋の名月、焼きいもパーティー、餅つき会、クリスマス会、とんど焼き、ひな祭り、節分、豆まき会など。
 さて、これらの行事、あなたの家にはどれくらい残っているのでしょうか。やらなくても日常生活には何ら困ることはありません。反対にやろうとすると、手間がかかり、おっくうがる人もいるのではないでしょうか。私はこの手間のかかることに意味があると考えているのです。入学式や卒業式、終業式など子どもの人生にとって節目、節目をきちんと過ごすことで、心も一段と成長していくのです。けじめです。一年の過ごし方に節目をつける意味で、これらの伝承行事を大事にしていきたいものです。中秋の名月を眺めながら、米づくりに感謝し、おにぎりで夕飯をとる機会もあっていいのではないでしょうか。七夕行事で「こより」(紙縒り)をつくる体験も失敗しながらも年々じょうずになっていけばいいのです。いつも成功する体験では、強い心を育んでいくことはできないのです。

   2013年5月11日(土)
    指導力の向上を求めて(その2 授業の勘・センス)


教師は子どもと一緒にいる間は自分のしていることを反省したり考えたりしている暇はありません。子どもの中に入り込み、一心不乱に指導にあたっています。子どもが帰った後で朝からのいろいろなことが思い返され、自分の指導を振り返ることができるのです。大切なのはこの時です。この反省を重ねている人だけが真の指導者として成長し、翌日に一歩成長した指導者として子どもの中に入り込んでいけるのです。
 では、具体的にどのようなことをふり返って考えればいいのでしょうか。大きく4つの側面、教師としての姿勢と技について(1)授業構成力、(2)授業の勘・センス、(3)授業コミュニケーション力、(4)意欲向上力から見ていきます。
 2番目の(2)授業の勘・センスについて
 常に子どもに寄り添う姿勢が根幹にあることが求められます。一方的に授業を進める教師では、子ども不在の授業になっているのです。具体的な例としては、一問一答式のピンポン型授業、子どもの反応を待たない見切り発車型授業、一人でしゃべって終わるワンマン型授業、ノートに写させるだけの写経型授業、準備不足の階段教材型授業などです。心当たりはありませんか。
 子どもに相対して授業を展開するには、一瞬の対応力が求められます。目の前の子どもの姿を観察、判断し即座に決断し、次の行動へと結びつけるのです。どういう言葉で発問すれば、目標に向かって考え抜き学習活動が活発に展開されるのか、子どもの考えを深めるために、どういうゆさぶり発問を投げかけるのがよいのか、子どもの発表を聞いて取りあげてほめる点は何なのか、学習活動の中でどんな行動を叱るのか、見逃さないようにしなければなりません。
 机間巡視をしながら子どものつぶやきを拾う確かな耳を持つことも求められます。活発に発言した子だけを主人公にしてはいけないのです。
 何かあれば相談に応じますので、連絡をください。