第5番札所

  医王山 東源寺



由 来:

 今を去ること約千二百八十年前、左大臣藤原朝臣冬嗣の後裔冬久卿が悪質な皮膚病、眼病を患い苦しんだ挙句、諸国行脚の旅に出た。初冬の山陰路、この岩井の地にたどりついた時、行き倒れた。その夜、夢枕に神女(薬王菩薩)が現れて、愛宕山の大樹の下にようじ錫杖を突きさすとたちまちに湯が沸き出した。そうして神女は「われは医王と申す。湯を浴すれば治るであろう」と告げて姿を消した。冬久卿はお告げの通り大樹の下を掘り湧き出した薬湯に浴すると皮膚病、眼病は即座に全快した。
 そこで冬久卿は報恩感謝のため、愛宕山麓にお堂を作り比叡山寺より後の伝教大師最澄上人が一刀三礼して刻した薬師如来の尊像を安置したと伝えたれている。これが寺と岩井温泉の始まりである。冬久卿は生れ故郷、京都宇治の都に帰らず当地に残り、田畑を拓き宇治集落を作り今でも宇治長者として讃えられ祀られている。その後、後の第三代天台座主慈覚大師圓仁が唐より帰朝の折、義祥三年(894)頃山陰を巡拝し、この寺に立ち寄り、湯栄山如来寺の尊号を授けられた。江戸時代貞亨三年(1686)愛宕山中に権現、本堂、鍾楼堂、愛宕堂、三重塔を再建し、薬師信仰の拠点として栄え名を言医王山湯元寺と改称した。のち、因幡の国、北東に位置し第一番の湯源であることから東源寺と改め、岩井温泉守護尊、長者薬師として現在に至っている。岩井温泉は薬師の湯、白銀の湯と慕われ皮膚病、眼病、内臓、子授けに効能があると伝えられている。四季時折の風情と湯けむりに抱かれて老若男女、近畿、中四国各地から知る人ぞ知る名湯、こころ安まる秘湯としてファンが多く人間味あるもてなしがあり静かなブームを呼び起こしている。

宗 旨: 天台宗

  

ご本尊: 東方薬師瑠璃光如来

   

住 所: 岩美郡岩美町岩井温泉478

   

電 話: 0857-73-1780