中国学生ソフトテニス選手権大会

農三 山本真由美

 今年の中選は八月二十八日〜三十日、山口において行われた。中選は八月末ということもあり、暑い中、日々練習して来た成果の見せ所であり、いわゆる”絶対参加”のシーズン最後の公式戦ということもあって(最近では中四も絶対参加なのかな?)、山ロヘと向かう面々の中にはいつもより一層の緊張感を携えていた者も少なくなかっただろう。

 一日目から山大コート・維新コートに分かれ、互いに声をかけ合いながらそれぞれのコートヘと向かう。

 まず、団体戦。男子はAチームは昨年の頑張りのかいあって、二回戦(7シード)からの登場。他のB,C,Dチームが一回戦からとなった。Bチームは初戦下市大AにB-0で勝利。C,Dチームはそれぞれ広修大A、山口大Dと戦ったが初戦突破はならたかった。しかしこの中には、一年生のメンバーが多く、中には初めて”中国”というものを肌で感じ何かを得た者もいただろう。この経験を、わずか数十分の試合であったとしても、これからの数十ヶ月に生かしてほしい。

 続いて二回戦。Aチームの相手は岡商大Bである。昨年も初戦で戦って勝利をもぎ取った相手であり、絶対負けるわけにはいかない。結果は、水上・阿部組が負けるも、藪下・青木組、中安・原口組が余裕で勝ち、二次戦につなぐ。二次戦もヤブ・タケ組の勝利で、Aチームは三回戦に進んだ。Bチームの二回戦の相手は吉備国Bであった。この試合は、見ていた誰もが勝利を予想していただろう。一次戦で、河盛・誠組、浜口・植組、石井・松本組、全てファイナルゲームまでもつれこみ、結局河盛・誠組のみ勝利をおさめ、そのまま二次戦も突破し、そしてあの三次戦である。維新コートにいた鳥大の仲間が皆、応援に集まった。そこにいたのはいつもの河盛氏ではなかったのである。いつもなら100%入らないボールが、ほぼ100%の確率で入りまくった。見ていた私たちの心を釘づげにした。ファイナルにもつれこみ、もしかして”三本まわし!?”と誰もが思った。しかし、何本かマッチを握ったにも関わらず…負け。でも見ていた方はとっても楽しかった。

 三回戦、Aチームは吉備国Aとの対戦。強豪であった。ヤブ・タケ組は一ゲーム奪取するもおよばず。水上・阿部組は中でも一番粘ったが2-Cで惜しくも負けてしまった。中安・原口組は入りが悪く、ポコポコにやられてしまった。結局0-Cで勝利はならず、相手の吉備Aは、この大会の団体戦で頂点に立った。

 女子の方は一回戦、Aチームは岡理大Aと戦った。この相手は、春のリーグ戦で戦い、涌嶋・山口組の勝利で二部に上がらせて頂いたチームである。きっとどのチームよりも鳥大に対する”必勝”の意志が強いチームであっただろう。そして、筆者である私、山本も、このチームにはあのリーグでのいやな思い出がある。今回相手は一ペアで、リーグの時のあのペアだった。しかし…あのいやなイメージが消えぬまま、筆者は満足のいかぬできのまま終わり、二本目涌嶋・山口組の勝利で一回戦は突破したものの、胸の奥に何かがつかえたような気分を二回戦へと引きずることとたった。

 Bチームは岡県大Bの棄権により、二回戦へと初戦を持ちこすこととなる。Cチームは吉備国Bと戦う。佐藤・平本組、東中・伊藤組という将来鳥大を担うメンバーでのぞんだ一回戦であったが、惜Lくも0-Aで勝利はならなかった。しかし来年は彼女らの活躍に筆者は大いに期待している。(一人は最近見かけないが。)君たちはまだまだ発展途上だ。ということは、前回よりも成長しうまくなる可能性が誰よりもあるということ。次回はまた違った試合をすることが、誰よりもできるんだよ。

 続いて二回戦である。Aチームは山口大Aとの対戦。一本目は山本・福間組。ここで筆者ははじけました。一回戦で味わった屈辱が爆発してしまいました。初め自信満々だった相手後衛の、試合後の悔しそうた顔が今でも忘れられません。二本目の涌嶋・山口組も何なく勝利し、A-0で三回戦へ。

 Bチームは初戦から第一シードの広文短Aと戦うこととなった。森本・菅谷組は、(森本)幸子が爆発、文短相手にガンガン打ちまくった。結果は負けに終わったが、きっと自分の中で何か得るものもあっただろうし、練習の成果は必ずあるということを身をもって経験することができたであろう。須田・花田組は、若い花田が文短を相手にかなり頑張ったように思う。この二人はその晩二人で試合の組み立てを熱心に話し合っていた(他のペアももちろんそうだったげど)。これからの二人の兼ね合いしだいで大きく成長する二人だろうと思った。結果は、さすがに第一シードの壁は破れず、であった。

 三回戦、Aチームは第ニシードの広島大Aとの対戦であった。五大で好感触を得た相手であったので、もちろん勝利を頭に置いて戦った。結果は0-Aで負けたが、「中選ベスト8」という、ソフトテニスマガジンにも載るという快挙を得た。しかし、鳥大はまだまだ上がある。このまま上昇気流に乗って、準決勝、決勝にも顔を出す大学となってほしい。

 二日目の個人戦。男子はほぽ全員が二回戦からで、その中で水上・阿部組、石井・松本組、中安・原口組、河盛・誠組、柳本・恵良組、また女子は涌嶋・山口組が初戦を勝ち抜き、また山本・福間組、佐藤・平本組が相手の棄権のため、次戦へと進んだ。一回戦で敗れた中でも、前日の団体戦と同じ相手と戦った東中・伊藤組は、二日続けての試合であったにも関わらず前日の経験をなかなか生かすことができなかったようである。悔しさも人一倍味わったことだろう。「生かす」ということは想像以上に難しい事なんだよね。でも人一倍味わったその悔しさを、今思い出してほしい。そうしたら、これからのキビしい練習に耐える強さもポール一個への執着心も人一倍になれるはず。(これは誰にでも言えることだよ。)また、須田・花田組も、よく知った相手との対戦のわりに不本意な結果に終わったと思う。その時の気持ちを大事にしてほしい。

 三回戦では、水上・阿部組、中安・原口組、河盛・田中組、二回戦では、山本・福間組が、ファイナルゲームにもつれこむという粘りを見せた(河盛くん、君はファイナルが好きだねー。)、がこれは裏を返せば、やはり鳥大は「あと一歩」、いや「あと半歩」の頑張りが足りないという事たのだろう。これが、ポールを追った時の「あと半歩」足りないための「ミス」につながっているように思う。全ては「あきらめないテニス」だ。これが三回戦突破、四回戦進出、ベスト十六、八入りへのカギであると筆者は思う。

 結局、鳥大は個人戦で二つ以上勝ったペアは一つもなかった。これは、今シーズン男女とも二部に昇格した鳥大の中選にしては、あまりにも寂しく期待外れな結果であった。先程も触れたが、今シーズンは「あきらめないテニス」が、プレーの面でも精神面でもカギになるのは確かだと思う。目指している方向はまちがってはいないが、どれだけの部員がその目的地を頭に置きながら歩けているか、また突然走り出したり歩くのをやめてしまう人を放っておかずに、意志の疎通を図っておくことができるか、が問題である。それができてこそのリーグでの勝利、一部昇格であることを忘れないでいてほしい。

 そして次のシーズンには、また一味違った鳥大を他大学に味わせてやろう!!