西日本学生選手権

工三 河盛伸陽

 五大が終わり、長く苦しいテストを乗り切り西日本学生選手権が始まりました。

 西日本学生選手権―インカレに出場しなかった我が部には今年一番のBIGな大会。中国、四国、九州、そして近畿と中国の一部からソフトテニス戦士達が集まり熱い夏をより熱くさせるのだ。

 七月三十一日。松山へ向けての第一陣が出発したのはまだ陽の登る前でした。電車を乗りつぎ松山の地に足を踏み入れた時には、陽はもうはるか頭上にあり厳しい陽差しを投げかけていました。ホテルのチェックインがおくれたり道に迷ってたりして開会式に遅刻しそうになるというハプニングもありましたが、第二陣も無事つき、それぞれが明日から始まる闘いに胸を高ならせ床につきました。

 大会二日目、この日は大学対抗戦が行われました。男子3ペア、女子2ペアの戦滅戦で、全て九ゲームという形式をとっています。そしてこの日も朝から暑かった。熱い一日を予感させました。

 男子は一回戦、関西大学と当たりました。ここに勝ってぜひともシード校をやっつけたいところだ。まず一番石井・原口組はひさびさのペア組です。相性はよいのか悪いのかよくわからないけど確実に実力のあるペア。しかし、そんなに強く思えない相手に大苦戦。ファイナルゲームにもつれこみ、惜しくも敗れてしまった。二番手の水上・阿部組。ここは勝っておきたいところだったのですが、1-Dと敗れ、後が無くなってしまったのです。しかしこんな時にも頼りになるのが藪下・青木組。チームの期待を背に試合に挑む。実力的には三本まわしも可能なこのペアだけど、思うように調子が出ない。なぜ?その理由の一つに、テストによるブランクがあったのは問違いない。技術的、体力的にもそうですが、精神的な面でもブランクが出ていました。先に四ゲームを取ったのは相手側で、ここから挽回!……することができず、2-Dで敗れ、終わってみれば0-Bのストレート負けでした。

 一方、別会場の女子は一回戦で大阪教育大と当たっていました。こちらのオーダーは一番須田・福間、二番森本・菅谷組。一番須田・福間組は竹本・松井組と対戦しました。二人とも確実に力をつけてきていましたが、それでも力およばず、O-Dで敗れてしまいました。続く森本・菅谷組にも力をみせつけた大阪教育大、こちらも0-Dで敗れ、女子も一回戦で大学対抗戦から姿を消したのです。

 今年は一回戦突破ができると思っていたのですが、思わぬ結果に思わず消沈……。しかし一方では周りで繰り広げられるレベルの高い試合に心を熱くしました。これだ!これが西日本だ。

 大会三日目は大学対抗戦の続きが行われました。じゃあ負けた大学は一日暇なんじゃあ?いえいえ大丈夫。一回戦、二回戦で敗れた大学をそれぞれ集めて戦う敗者復活卜ーナメントがあるのです。この日もまた猛暑。松山の太陽は容赦なく僕らを照りつけ後々苦しめることになるのです。

 男子のオープン戦A卜ーナメントの一回戦の相手は大阪大学。一番手は藪下・青木組です。昨日の不調が気になりましたが、この試合で少しずつ調子を取りもどしていることを見せつけてくれました。C-1で勝利。ちなみにこの敗復トーナメントは七ゲームの三本勝負、点取り戦で行われたので、次の徳重・木村組が勝てば次へ上がれます。二番手徳重・木村組は、序盤徳重が相手コートの深いところをつき、木村も美しい大声と怪しげなポーチで相手を苦しめましたが、それ以上にミスが多く、結局1-Cで敗れてしまいました。しかし一年生らしい元気な試合がチームを勢いづかせました。三番の河盛・田中組はその勢いにのりC-2で勝ち初戦を突破しました。

 二回戦の相手は、ニペアで勝ち上がってきた大体社専。一番は水上・阿部組。どうもリーグ以来調子が悪いこのペアは0-Cで敗れてしまいます。二番は不戦勝、三番の藪下・青木組に勝負が賭かりました。ファイナルゲームにもつれこむものの調子の戻ってきている二人は危なげなく見え、勝利を手にしました。

 三回戦進出です。惜しくも初戦で敗れましたが女子が応援に駆けつけてくれて、ますます勢いに乗る鳥大。陽は高く選手達は真夏の太陽に気付かぬうちに体力をじわじわと奪われていました。次に僕達に立ちはだかったのはニペアで勝ち上がってきた大阪教育大でした。三番の河盛・田中組が不戦勝で一番石井・原口組は善戦するものの1-Cで敗れ、またも藪下・青木組に勝負を託します。ファイナルゲームにもつれこみ危うい場面もありましたが気力で勝利。鳥大がA-1で決勝へ駒を進めました。

 決勝の相手は九州産業大。本来一回戦で敗れなどしない強敵です。暑かったけど入念にアップも済ませました。そして決勝が始まったのです。一番水上・阿部組は徳永・若山組と対戦、ここ二日間でようやく本来の力が発揮できるようになったのかいい調子でやれましたが結果的には1-Cで敗れます。二番は藪下・青木組ですが、ここでこの二人が今までの不調をふき飛ばすすごい試合をして、C-0と一気に試合を決めました。三番勝負をいい勢いで迎えることができた河盛・田中組は流れに乗って一気に三セットまで連取し、いよいよフィナーレを迎えていたのですが、この時すでに異変はおこっていました。慣れない四国の猛暑と入念すぎたアップ、いろいろな要素が入り混じり河盛・田中組は体力切れを起こしていたのです。何度かマッチポイソトをにぎる場面もありましたがあと一ポイントが取れない。ファイナルゲームに。もつれ込んで最後に笑ったのは九産大でした。結果1-Aで鳥大は敗れましたが、昨年までより少しずつですが上まで行けるようにたったのでした。

 大会四日目は個人戦。各ペアとも一回戦から白熱した試合を展開しました、しかしほとんどが一回戦が終わって審判をしていました。二回戦に勝ち進んだのは藪下・青木ペアだけでした。二回戦では桃山学院大の玉置・河田組と当たり、接戦を演じましたが、3-Dで敗れ、三回戦には進めませんでした。しかし、西日における二回戦進出は近年になく、喜ばしいことでした。

 その後、ハイレベルな試合を目に焼きつけ僕らは帰路につきました。なんといっても夏休みは始まったばかりです。見てきたこと、刺激を受けたことでこの夏休みを大いに活用できそうです。そしてこう考えるのでした。「早く帰ってテニスがしたい!」。

― 西日遠征記終了 ―