第47回中国学生ソフトテニス選手権大会
      日程  八月二十二日〜八月二十四日
      場所  岡山大学、備前テニスコート

工三 柳本将視

 三年生には最後の大会となった人もいれぱ、一年生の中には初めての団体戦を経験した人もいた中国学生選手権。またチームにとっては中国五大学競技大会以降の最初の試合。チームが飛躍するためには内容かつある程度の成績を残すことが重要であった。期待と不安で頭の中がいっぱいになりながら試合の日を迎えた。

 男子の大学対抗戦。A〜Eの五チームが、それぞれ一回戦からの登場。全チームが一回戦からの登場というのは毎年の事だったのだが、やはり寂しい。Cチームは吉備国B,Dチームは近大工D,Eチームは東亜大Cがそれぞれ相手だったが1‐B、1‐B、2‐Bで敗れた。しかしその中で印象に残ったのは有田・矢田組であった。強豪相手になかなか勝てないチームの中で一次戦を勝ち抜き、チームのリーダー的存在として頑張っている姿が感じられた。さすが三年生という姿であった。

 Bチームは一回戦不戦勝で勝ち進み、二回戦の相手は岡商大A。かなりの強豪である。結果から言えばO‐Bで敗れはしたが、完全にやられたわけではなかった。、Bチームは若いメンパーが中心であり、この経験を来季につなげてほしい。

 一回戦の相手が岡商大B。Aチームにとっては初戦から大きな壁であった。全体的に一回戦の試合の入りが悪い我がチームにとってはかなり手強い相手。岡商大B戦のポイントとなった戦いは三番手の浜口・植組の試合であった。一番手の中安・恵良組、二番手の柳本・品川組はGC‐2ではあったが危なげなく勝利。が、しかし浜口組の相手はそうもいかなかった。G1‐3となりまたいつもの失敗を繰り返してしまうのかと誰もが思っていた。

 しかし、今回のチームはいつもと違う。そこからいい意味で開き直り、2ゲームを挽回し、ファイナルはそのまま押し切り逆転勝利をおさめた。これは三年間培ってきた努力と”勝利への飢え”が土壇場で彼らに力を与えたという感じだった。この勝利は彼らにとってもチームにとっても大きな”一勝”であった。この一勝がチームに欠けていた自信をもたせ勢いを生み出した。

 続く二回戦は広工大B、三回戦山口大Bは一次戦で中安組、浜口組がそれぞれ敗れはしたが柳本組、中安組が二次戦で勝ち、B‐1で勝利をおさめ準々決勝へとコマを進めた。

 準々決勝の相手は広島大Aであった。オーダーは浜口組、柳本組、中安組という順で二面同時進行で行われた。浜口組は競りあっていたもののあと一ポイントが取れずにG1-Cで負け、その後入った中安組は一ポイント目で勝負ありといった感じで一ゲームも取れずG0‐Cで負けた。残るは一次戦中の柳本組。

 後がない柳本組は一ゲーム目からジュースの連続で取ったら取り返すというシーソーゲームでファイナルをむかえた。

 ファイナルを決めてが奪えないまま4‐4から結局二本連続で取られそのまま押し切られる形で5‐Fで落としG3-Cで敗れ、Aチームの負けが決まった。

 女子の大学対抗戦は一回戦でCチームが岡商大Bに二回戦からのAチームは就実大Bに1‐Aで敗れた。結果だげ見ればAチームは山本・福間組が勝ちを逃したのが大きかった。この苦い経験を彼女たちの糧にし、より大きく成長してくれることを期待する。

 Bチームは二回戦の広女院Bを一ゲームも落とさずA‐0で勝利したものの、三回戦では広島大Aに一ゲームも取れずに負げた。しかし、広島大Aと試合することによって肌で中国トップレベルを感じることができたのは今後大きな財産となるはずだ。

 こうして一日目の対抗戦は男子Aチームベスト8、男、女Bチーム三回戦進出という結果に終わった。

 二日目個人戦。三回戦にコマを進めたのは男子四ペア、女子一ペア。二回戦の内容で目を見張るペアは有田組、間野・小川組、柳本・恵良組であった。有田組は格上と思われる相手ではあったが攻めのテニスを展開。相手をあと一歩という所まで追い詰めたが、健闘むなしく敗れた。間野組は粘りのテニスでGC-2で勝ちをおさめた。柳本組は昨日、団体戦で敗れた広島大が相手。昨日の雪辱を果たし、二人にとってはうれしい勝利。反面昨日勝っていれば……なんてね。

 五ペアの中で四回戦にコマを進めたのは中安組、柳本組。中安組は力の差をみせつけての勝利。柳本組は競って苦しい展開だが、二回戦の勢いで最後は押し切った。

 四回戦は柳本組は試合の中盤まで寝ぽけているような展開となった。後半立ち直りかけたがニゲーム目を落としたのが響きG1‐Cで敗れた。

 中安組はファイナルゲームまで持ち込まれたが、大声援の下、C‐3で勝利を手にした。

 五回戦、相手は広経大の大将ペア。G3-Cで惜敗。鳥大の中選が終わった。

 ふり返れば短い三日間であった。成績は、団体Aチームベスト8、個人中安・品川組16、他ニペアベスト32という結果に終わった。一番大きなのは団体でベスト8に入った事である。今まで二回戦の壁を破れなかった鳥大が団体で三回も勝利を手にした。三年間、自分達がしてきた事はまちがいではなかった。そして、その成果が少しでも結果として表れたことを素直に喜ぴたい。

 一、二年生へ、君たちも力を持っている。それをどう生かすかは君たち次第である。何度も悔しさを味わい、涙を流した。その思いが、”勝利への意志”として受け継がれた。その結果が今、現れつつある。君たちにも強い意志をもってほしい。”勝利への飢え””勝利への喜ぴ”を持ってほしい。君たちがそれを少しでも感じれるようになれぱその時に君たちの黄金期が来るだろう。

 最後に”きれいなテニス”だからといって勝てるわけではない。”テニスがうまい”からといって勝てるわけではない。泥臭いテニスでもAチームは勝てた。多分Aチームのメンバーは”強く”なりかけているからだろう。君たちが”強く”なれるよう願う。