第19回中国学生ソフトテニスリーグ戦大会
第41回中国学生ソフトテニス優勝大会

農三 植弘隆

 リーグ戦は各大学が一番メインとする大会で、各校ともこの大会のために二年生以上は一年間練習をし、また一年生という新しい力を引き連れて参加してくるのである。我が鳥大も幹部交代後に掲げた目標「男女三部優勝、二部昇格」を達成するための練習をしてきた。そして、みんなが「今年こそ」という気持ちを胸に遠征に臨んだ。そのリーグ戦、今年は五月二十一日から二十四日まで山口大学と維新公園のテニスコートでおこなわれた。

 リーグ戦の初戦は福山平成大学であった。大会前から三部リーグでの対戦を考えたとき、ただ一つ心配だったのが、この福山平成大学との対戦だった。相手はリーグ戦初参加で力がわからず、さらに鳥大の初戦にあたることがわかっていたからである。鳥大の各ペアとも試合の入りが悪いため、調子が出ないまま負けてしまうことが多く、この対戦が三部リーグでの最大の山場といえた。一番手に出たのは、河盛・青木組である。元気があり左ききという特徴を持つ後衛と元気よく動く一年生前衛のペアということからムードメーカーになることが期待された。しかし、初戦ということとリーグ戦独特の雰囲気から緊張をし、ペアによい点が出ないままあっさり1-Dで負けてしまった。だが、続く三年生ペア柳本・谷本組がD-1で快勝し、チームを一瞬包んだ嫌な雰囲気を一掃した。この勝利が、その後の鳥大進撃の始まりとなった。次の浜口・植組は、いつもの鳥大の悪いパターンである入りの悪さのため調子がでずD-4で辛くも勝利。四番手、有田・川辺組はリーグ戦初出場の有田の緊張が心配されたが、それも取り越し苦労におわりD-0で圧勝した。五番手の中安・品川組は不戦勝となり、結局鳥大がC-1で勝利した。

 山場を乗り越え、みんなの緊張もほぐれてきたところで、次の近畿大学工学部戦をむかえた。一番手、河盛・青木組は、元気の良い本来のテニスをしてD-0で勝ち、一戦目のうっぷんをみごとに晴らした。こうなると、すぐに勢いづくのが鳥大のいいところ。各ペアとも相手とのちからの差を見せつけ、二番手の柳本・谷本組、三番手浜口・植組、そして一戦目の有田・川辺組に変わって登場の水上・矢田組がD-1、D-0、D-1と一気に勝ちをおさめた。五番手の中安・品川組は初戦ということと、いつもと違って品川さんがいまいち集中できずミスが連続したがD-3で勝利した。結局、鳥大はD-0で二戦目もものにした。

 三戦目の相手は、このところ少しづつ力をつげてきたように見える下関市立大との対戦であった。この対戦では二戦目の水上・矢田組に変えて一年生ペアの薮下・阿部組を投入した。一番手、河盛・青木組は前の勝利で気をよくし、この試合もD-1と快勝した。次の二番手、柳本・谷本組の試合は下市戦の鍵となった。相手後衛もなかなかのもので、両者とも一進一退の試合展開となった。柳本組は、鳥大の大応援の中、柳本がよく走って球をひろいまくり、谷本は大切なポイントでポーチに出てポレーを決めるというナイスゲームをおこないD-3で大きな一勝を手にした。続く浜口・植組もD-1できっちりと勝った。四番手、期待の一年生ペア、薮下・阿部組は緊張の中で、自分達が練習していることを試合でやろうと考えプレーをしていた。九ゲームという長い試合にもかかわらず最後まで集中力が切れることなくD-3で勝利した。この一勝は、二人にとっても、また、これからの鳥大にとっても意味のある大きなものだったと思う。五番手、中安・品川組は本来の安定感のあるテニスを取り戻し、D-2で快勝した。鳥大は、二戦目に続きD-0で下市戦も勝利した。

 三部リーグ最終戦は、島根大学戦であった。島大は今回、部員減少のため三ペアでの参加であった。一番手、河盛・青木組は勢いが止まらない風でD-0で圧勝した。続く柳本・谷本組もD-1で勝ち、浜口・植組もつめの甘さがいくらか出たがD-1で勝利した。有田・川辺組、中安・品川組は不戦勝となり、D-0で島根大に勝って三部優勝を決めた。

 女子は、男子と別れ、山口大学で試合をした。安田女子大学戦は、山本・吾郷組がD-3、野山・福間組がD-1、牧田・平川組がD-0と三ペアとも勝利し、B-0で勝った。一年生の福間以外は高校時代、ソフトテニスをやっていなかったメンバーだげに、他大学にB-0で勝ったことは、男子にとっても嬉しいことだった。岡山理科大戦では1-Aでおしくも敗れた。広島女子短期大学は、初参加であったが、力をもった選手が多く0-Bで負けた。結局、一勝二敗の三位でリーグ戦を終えた。

 リーグ戦二日目は、二部リーグの終了を待ってから入れ替え戦をおこなうこととなった。そして、相手が広島工業大学に決まり入替え戦となった。去年の入替え戦での負けから一年、待ちに待った時がきた。この試合は、河盛・青木、柳本・谷本、浜口・植、水上・川辺、中安・品川のオーダーで臨んだ。二部の相手にもひけをとらないメンバーである。選手も応援も気持ちは最高潮に達していた。しかし、試合が始まるとあっという間に勢いがなくなっていた。一番手、河盛・青木組は2-Dで、柳本・谷本組はO-Dで負けた。浜口・植組は一ゲーム目を取るも、その後は相手の勢いにのまれ1-Dで負け、水上・川辺組が三ゲーム目に入ろうとしたところで、0-Bで鳥大が負け、入替戦が終了した。本当にあっという間であった。みんなの顔にも信じられないという表情が見られた。こうして、男子のリーグ戦も2部に昇格できずに終わった。

 リーグ戦終了後、すぐに個人選手権が始まった。男子は、河盛・青木組、柳本・谷本組、中安・品川組、浜口・植組が初戦を突破した。これまで、なかなか二戦目を突破できないでいたが、今回は浜口・植組がC-0で広工大の石井・井手組を、中安・品川組はC-3で八本シードの東亜大学、安部・柴田組を破りベスト32に入った。中安組はゲームカウントO-3のマッチポイントを握られてから、見違えるようなテニスをして逆転勝ちをとげた。16本決めでは、浜口組はファイナルのデュースまで追いつくが、そこで力つき岡大の清水・有本組に負けたが、中安組は、またもファイナルゲームをものにしC-3で徳山大の会津・畑組に勝ち、個人戦二目目に勝ち残った。最近の大会では、ここまで勝ち残ることはまったくなかった。

 さて、女子は個人選手権に牧田・平川、野山・吾郷、山本・福間、森本・須田の四ペアが参加した。その中で、野山組がC-2で岡理大の大谷・菊地組を、牧田組がC-3で下市大の山崎・高橋組をそれぞれ破り、初戦突破をはたした。二回戦は、野山・吾郷組が大接戦の末、おしくも3-Cで広文短の荒谷・友沢組に負け、牧田・平川組も広大の守田・藤村組に0-Cで負けてベスト32で終わった。

 大会最終日、鳥大全員が応援する中、中安組は広経大の薮本・野間組と対戦した。しかし、この試合は終始相手後衛が攻めまくり、中安組はぺースを握れないまま1-Cで敗れた。

 今回の大会を振り返ってみると、男女とも二部昇格が達成できなかったことは残念であった。男子は、入替戦であそこまで簡単に敗れた理由が、今もはっきりしない。二部としての広工大の意地。鳥大の気持ちのカラ回り等いろいろ考えられるが、はっきりとは答えられない。しかし、これも一つのステップだと言える。それは、今大会の中安・品川組をはじめとした男女各選手の頑張りや、その後の五大、中選等での鳥大の勝ちからも説明できる。

 去年のリーグのくやしさを忘れずに頑張ったことが、今年の各大会での勝利につながったと言える。だから、みんなに今回のくやしさをバネに練習をして、来シーズンに大きな喜びをつかんで欲しい。くやし涙は、もう十分!来年は、嬉し涙を流そう!!