五大学大会遠征記

教三 井上みのり

 今年の五大学学生競技大会軟式庭球の部は、七月十三日(土)〜十四日(日)の二日間、広島中央庭球場で行われた。今回から鳥大もバスで行くことにり、いつもの汽車で行く遠征とは違った雰囲気で鳥取を出発した。

 昨年の五大学は鳥取で行われ、男女アベック優勝という快挙を成し遂げており、今シーズンに入ってからも女子は前回島根で行われたリーグ戦優勝があり、負けるわけにはいかない、いや負けることはできないというプレッシャーのかかる大会になると予想された。七月に入ってからの雨続きで、あのスーパーコートもそのスーパー現象をおこせないでいて、練習時間は満足にとれなかった。あとは各人のイメージトレーニングと、精神的に、(みんなの不得意な)いかに試合に集中することができるかにかかっていた。

 十三日の朝一番は、山口大学。今回は四年の方が来られず、若いチーム。こちらは採用試験を十日後に控えた乗本さんと小林さんに無理を言って出てもらっている。絶対勝たなければ。一番手井上・前田組は柏坂・酒井組と対戦。相手後衛の柏坂さんは一年生ながらリーグの時大活躍しているパワーの選手。うちの加藤と同様元気がよい。さて試合になると、「勝っても負けても雰囲気作り」の一番手が、相手山大のかの偉大な四年の先輩の名言、「穴があったら入りたい」試合で、あっさりと、0−Cで負けてしまった。試合に神経を集中しょうと思えば思う程、余計なことばかりを考えてしまう自分がただただ情けなかった。二番手加藤・中尾組は高村・井上組に圧勝、三番手、「練習をしたという裏付けがないと勝てないの」の乗本・小林組は下岡・小林組。得意のサーヴィスキープでファイナルにもっていき、もっていった時のファイナルには強いはずの乗本さんもジュ−スの末敗れてしまった。ここでリーグから活躍中の加藤選手が、みごと三本回しをやってのけ、幸くも山大にB−2で勝つことができた。

 二対戦めは島根大学。個人戦ではそう負けはしないが、団体戦では島定を含めていつも苦い思いをさせられている。リ−グ戦でも島大には負けているのだ。今度はキャップ前田、オーダーを変えて、一番乗本・岩尾組、二番加藤.中尾組、三番井上・前田組と配した。一番手は、王座で自信をつけた岩尾選手が積極的にとびだしてボレーをし、フレッシュな活躍で豪快な斎藤・松井組を下した。二番手加藤選手・栗原選手の腰の入ったロヴに翻弄されたのか、ファイナルジュース負け。中尾さんに喝を入れられた三番手井上・前田組。けれども、又々情けなくもリーグ戦と同様神田・光森組のぺースに巻きこまれて負けてしまった。経局一次戦は山大戦と同様1−2でリードされている。二次戦以降の岩尾選手に期待がかかるが、勢いにのった栗原・福田組に負けてしまう。経局は1−Bで又島大に勝てなかった。同じ一番手(キャプテンペア)でありながらそのプレッシャーをいい方にかけ勝ち組ける栗原さんの根性と、そう思いながらもプレッシャーに押し潰されている私たち。この違いが、今期島大に勝てなかった鳥大の原因を作ったと言えるだろう。(本当にスイマセン。)

 三対戦目は再び小林さんに出てもらって臨んだ広大戦だったが、一次戦は2−1でリード。ここで井上・前田組が先に出ていればよかったのだが、加藤・中尾組が二番手だったため、加藤選手本日六試合めの試合でフラフラになりながらも、平岡・岡組を敗り二本回しを成功してくれた。中尾さんによると、私たちが一次戦で残ったので、フラフラになりながらも、ひらき直って楽な気持ちでやれたそうで、やはりこれまでもこうあるべきだったのにと考え込み、自分の今後の、明日の、ことについて少しは整理がついた。

 十四日、四対戦め岡山大学との試合である。乗本さんと小林さんは一路鳥取へ。一番手加藤・中尾組。昨夜たらふく夕食を食べ、人の布団まで占領し大声で寝言を言って元気を回復した加藤選手、ジュースジュースの長い試合で相手後衛優勝大会一位の秋本選手にねばり、その間に中尾さんの華麗なボレーが決まって、序々にひき離し、加藤選手のファーストサーヴ攻め、中尾さんのバックハンドストロークレシーヴサイドプレスが追いうちをかけてC−2で勝ち。二番手期待の北川・岩尾組、ゲームカウント1−3からファイナルにもっていったにもかかわらず、もう少しのところで敗退。三番手井上・前田組、大森・岡本組でも藤原・間瀬組でも来いの心境。経局藤原さんが出てこられ、何も考えずにぷつかって行った。(井上のサーヴがよく入り、前田のボレーが入ったところも昨日と少し違った。)意識朦朧として迎えたファイナルレシーヴゲーム。相手の簡単なミスですんなり3−0、よし、ここ一本で切ろう。と手を握り合った数秒後、前田選手レシーヴバックアウト。がっくり、だけどもう一回初めから、と二人で言い合った数秒後、井上選手のレシーヴがネットに……かかると思ったらネットイン。全く手の縮んだビビリのレシーヴだった。私たちらしい勝ち方だった。再び二次戦加藤選手、今大会最後のおつとめの二本回しをし、経局岡大にはB−1で勝ち、全勝の島大に次いで三勝一敗で二位に終った。この二位も、八試合で七勝一敗と勝ち越した加藤.中尾組のおかげである。(もう一ペアがしっかりしていたら優勝できたし、加藤選手の負担も軽くなったのに……。)

 男子は、対山大と島大の二勝であったが、若い竹谷・飯塚組の活躍で、春の三地区の雪辱を果たし島大に勝てた。(飯塚選手と森脇選手の声の出し合いは、まわりのコートを圧倒し、誰もがそれでも勝っている飯塚選手に注目していましたよ。)

 男子も女子も若手の活躍が目立ってよかったが、目立たせてしまった古参たちも、喝を入れ奮起し直すべきであった。特に女子においては、歯が立たないぽど強いペアが他大学になかったにもかかわらず、B−0で勝ったのが一回もなかったというのが、残念である。少人数の為の問題も含めて、今後の鳥大が強くなるため課題の残る大会であった。最後に、近藤先生、遠いところを広島まで応援に来ていただき、本当にありがとうございました。(遠征記というより自分の反省文になってしまったことをお詫びします。)