五大学運営記

農三 中尾建子

 第三十五回中国五大学学生競技大会・軟式庭球の部は、七月十四・十五日に、我が鳥取大学のコートで行われた。

 男子は、一昨年三位、昨年二位と今年こそ優勝を狙おうと、女子だって、一昨年五位、昨年四位という成績ではあるが、この地元の大会で一生懸命に戦い優勝をもぎ取ろうと臨んだ。

 女子の試合は、対広大・島大・岡大・山大の順序で行われることになっていた。

 最初、広大にB-1で勝った私達は、次に昨年五大学一位、今年もリーグ大会で優勝した島大と当った。ここで、乗本副キャップは今年入ったばかりの二年の井上さんを起用することにした。彼女のシャープな振りと積極的なテニスで今年波に乗っている島大にぶつからせようと考えてのことであった。

 第三コートには、乗本・中尾組対神田・井谷組、第四コートで藤原・小林組対栗原・光石組の二面平行で行われた。乗本・中尾組は、わりと苦手な神田・井谷組にC-2で辛勝し、次の井上・前田組対若杉・渡部組の試合に、コートを譲った。この時、第四コートではシーソーゲームの最中であった。

 試合の始まった第三コートでは、井上さんが得意のプレスを随所に決め、前田さんは相手後衛の甘いボールを確実に決めて、差を広げていた。予想以上の活躍にベンチは大騒ぎ!!この時、第四コートでの試合が終り、鳥大はA-Oとリードしていた。「ここが勝ったら……。」と思うと応援にも益々気合が入る。結局、井上さんのプレスを最後まで止めることが出来なかった若杉・渡部組をC-2で下した彼女達は、鳥大優勝への大きな足がかりをつくってくれた。

 興奮も冷めぬうちに岡大との対戦がやって来た。一次戦で、乗本・中尾組は3-Cで負け、波にのった井上・前田組は、ここでも、相手チームの一番手の大森・岡本組をC-2で下し、藤原・小林組も勝ち、A-1で二次戦を迎えた。

 井上・前田組は、いくら打っても、返ってくる相手にやられ、いよいよ、土壇場の三次戦。しかし期待もむなしく、藤原・小林組もわりにあっさりと負けてしまい、2-Bで負けてしまった。藤原・間瀬組を倒すのに一番近距離にいた私達は、皆にとってもすまなくてたまらなかった。ここで、せっかく近くに来た優勝が、遠ざかっていった。(次の日、オープン種目の個人戦で同じ相手に勝ってしまった乗本・中尾組は、皆にさん残ん嫌味を言われたのは、いうまでもない。)

 ここで戦績を見ると、二勝一敗で、現在、岡大三勝、島大二勝一敗、もし三つどもえになったら……。次の試合に、鳥大が山大に勝つことを前提条件として、島大が岡大をB-1以下で破ってくれるなら、我が鳥大は優勝出来ることになる。まさしく他力本願ではあるが……。

 いよいよラストの山大戦になった。山大は下岡さんが国体予選出場のために途中で帰り、前衛の山田さんが後衛に、その上、四年生は欠場されており、わりに楽に勝てるのでは、そうしたら、島大が岡大に勝てば……。と、内心ほくそ笑みつつ、試合に臨んだ。

 しかし、蓋を開けてみれば、思ったより苦戦してしまい、気になる島大―岡大戦は、あっさりと島大が勝っていた。まだ私達が試合をしている最中であったのに……。(たいした事ではないが、マッチポイントを私のレシーブをバックのサイドプレスで華麗に決め、勝利を収めたことを、補足しておく。)

 やはり、全勝優勝したかった。まあ、ぜいたくは言うまい。なんたって島大にB-Oで勝てたのが大きかった。ここのところ優勝にはぼど遠い私達が勝ったのと、若い井上・前田組の活躍は、これからの鳥大の大きな自信となることであろう。

 残念なことは、広大・山大の四年生が全く出られなかったことで、どうせなら他大学もベストの状態で戦いたかった。(そうなったら、優勝出来ぬかも知れないが、終ったことなのでそう言っておこう。)その反面、藤原さんが、教員採用試験を目前に忙しさをおして出ていただいた事に、誠に感謝しています。

 ここらへんで男子の方をのぞいてみよう。第一日目は、まず島大とやりD-2で、次の広大戦はD-2で勝った。ここで注目しなければいけないのは、なんと一年生の竹谷君が爆発し、やることなすこと成功し、みごとな勝星を上げた、(まあ、前衛の大沢君もそれなりの事をしたのであろうが………。)そうだ!!思い出した、彼らは、ひつこく前衛アタックをやっていた。まあこれも若さのなせる技であり、常にそういうふうにはゆかぬので、これから他の技術をさらに磨いて臨んでほしい。

 第二日目は山大にD-2で勝ち、最後の岡大戦となった。この日は、佐々木・井口組が頑張り、強敵を倒してゆき、堂々全勝優勝をもぎ取った。

 ここに鳥大軟庭部は、空前絶後(いや、これからもおこってほしいが……。)の男女アベック優勝を成し遂げたのであった。

めでたしめでたし

(尚、この優勝で軟庭部が非常に喜んだのは当然であるが、事務のおっちゃんがとっても喜んでいらっしゃって、軟庭部の株は赤丸上昇中で、ついに一部市場に上がれたこともつけ加えておく。)