中国・四国大会遠征記

教三 中村知子

 この大会は十月二十三日より、山口において二つの会場で行なわれました。

 幹部としての最後の大会でもあり、また今年のシーズンを通してあまり良い成績を残していないだけに、この大会こそは四本シードを守り、できれば一歩駒を進めて来年の後輩のために良いシードを残してやりたいという気持ちで一杯でした。中選でシードを無くしてしまっただけに、私たち幹部にとってこの大会は、重荷であると共に、まだ一つ残っているという一筋の希望でもあったのです。従ってペアも多少変え、Aチーム、厨子・原組、田中・中村組、Bチーム、宮脇・但田組、瀬尾・田中組としました。Aチームは、昨年の中・四と同じメンバーで幾分反対意見もありましたが、とにかく勝つことだけを目標に練習に励んでこの大会に臨みました。

 試合初日、十月下旬とは思えない程ものすごい冷えこみでしたが、大会の進行には、あまり影響ありませんでした。

 コート割りは、男子Aチームのみが明法維新コートで、あとは山大コートでした。この結果、男子Aチームは、一回戦で山口大Cチームと当たり負けてしまったのです。いくら一チームだけで応援がないからといっても、初戦負けではあまりに惨めです。もっと意地を見せてほしかったと思います。

 さて、女子Aチームはといいますと、一回戦、二回戦と、あまり本調子とは言えませんでしたが、それでもしだいに調子を上げていきました。

 三回戦は、岡県短Bチームとです。私は「Bチームなら勝てる」と、思っていました。しかしここにあの中選で優勝した、福田・道上組が入っていたのです。私はこれを聞いて「なんであのペアがこんなところに……。」と一瞬のうちに目の前が真っ暗になるような気がしました。しかしここで負けてしまっては、シードを守ることはおろか8本にも入れなくなってしまうのです。私たちは、「やるだけやってみよう、悔いの残らないような試合をしよう」と口々に言って、試合に臨みました。そして一番手田中・中村組、二番手厨子・原組と出し、相手は、予想通り、福田・道上組、前田・尾関組と出てきました。

 私は、このペアとは以前に何度か試合をしたことがありましたが、いつもゲームカウント0か1で負けていました。ですから今度こそは、2ゲームは取ってやるぞと意気込んでいました。しかしやはり相手は強く、ボレーをしてもフォローされることが多く、逆に道上さんのボレーは、鋭く、1ゲーム目は簡単に取られてしまいました。ところが2ゲーム目には、相手のちょっとしたミスと田中さんの思い切ったサイドプレスでこちらが取り、ゲームカウント、1-1となったのです。そして相手の思いがけないミスとこちらの気迫?とで、2-3となり、私の目標は、達成されたわけです。あともう1ゲームでファイナルになると考えるだけで私たちは、力が入りました。そしてあの5ゲーム目の1ポイント、あれは、田中さんのナイスミドルによるものでした。福田さんがころんでしまったのです。そして足をくじいてしまったのです。そして試合は一時中断となり、十分後に再開しました。この時私は「わァー、ラッキー。もしかしたら勝てるかもしれない、いや勝つんだ。」と、思ったのです。しかしこれもつかの間の灯、あっというまに負けてしまいました。

 あとは、厨子・原組に回してもらうしかありません。一次戦は、4-1と楽勝、次はいよいよ二次戦です。初めは、ペアのコミュニケーションがうまくいかない場面もありましたが、さすが厨子・原組、あの中ロブの冴えとみごとなボレーには、但々驚くばかりです。その結果4-3と強豪福田・道上組を倒したのです。

 次はいよいよ四本決めです。相手は島大Aチームでした。島大とは何度も戦ったことがあるので相手のテニスはわかっていたのですが、簡単に負けてしまいました。この試合では、相手をよく知っていただけに、欠点をつかれてぺースにまきこまれてしまった感じでした。もっと自分の欠点を克服し、さらに相手を攻められるような強気なテニスができるようになりたいと強く反省させられました。

 これから冬期練習に入りますが、来年のシーズンに備えて強くなれるよう頑張って練習しましょう。