中選運営記

農三 高木淳

 今年の中国学生軟式庭球選手権大会は、八月二六日から我が鳥取大学を中心に行なわれた。我々幹部は、最大の目標を中選に置いてきたし、部員の皆さんもそうだったと思う。

 特に団体戦では、男子はAチームが8本、Bチームは16本に絶対に入りたかったし、女子はあわよくば優勝という事も考えていた。ただ女子は中選の前日にリーグ戦の入れ換え戦があり、そちらの方が第一目標になっていたように思う。

 さて、八月二五日、僕を含めて五人位が千代川コートの設営にあたり、その後のコート開放を待っていた。ところが昼過ぎから小雨が降り出し、三時頃には本降りになってしまった。おかげで千代コートで待ちぼうけをくらい、気が抜けてしまった。中選を前にして不吉な出だし。しかし、本学に帰ると、入れ換え戦で女子が無事に勝っており、一安心。

 翌二六日、団体戦が行なわれたのだが、何と男子はBチームだけが千代コート。何とも寂しい限り。

 我がBチームの初戦の相手は岡大Cチーム。予定としては3-0で勝つはずだったが、僕のペアが負けて他のニペアに早くも迷惑をかけてしまった。しかし、どうにか勝ってもらって一安心したところに、台風の襲来のような暴風雨。この夏は毎日の様に雨が降っていたので、ある程度の雨は覚悟していたが、これ程の雨が降ったのには本当に参った。しかし、内心は「この雨でつきが変わって調子が良くならないか」と思っていたが……。ともかくこの雨で初日は中止となった。

 大会二日目の二七日。Bチームの相手は広修大Bチーム。力としては互角だと思われた。僕らは一番手として出て、どうにか勝つ事ができたが、一次戦の結果は2-1。当然僕のペアが先に試合をやらねばならないのだが、ふと堤防の道を見ると何と霊柩車が走っているではないか。いやな予感(勿論、試合中はそんな事は忘れたが)。しかも、コートの後ろでは広大OBの片山さん(二十五日から僕の下宿に泊まられていた)が観戦しておられて、益々プレッシャーがかかった。相手チームは、一次戦の時一応見ていたが、まさか自分達とやるとは思っていなかったので、あまり印象がない。いざ試合が始まってみると、一方的な試合になり0-4で負けた。こうなれば向こうのぺース。しかし、日熊・東組、特に日熊さんが炎天下での試合にもかかわらず、本当にがんばって下さって、どうにか三回戦に進む事ができた。

 三回戦の相手は広工大Aチーム。はっきり言って向こうの方が力が上である。試合前、一次戦で2-1にしようと意気が上がったが、結果は0-3、完敗であった。

 鳥大に帰ってみると、ちょうど女子が試合中であった。僕達も一緒に応援したが、この時程応援が心強いものだとは思わなかった。結局団体戦では男子Aチームが8本、Bチームが16本と一応目標の所まで行け、女子も初のベスト4に入った。

 大会三日目、団体戦と並行して個人戦が行なわれた。僕のペアはパッキンだったので、どうにかシードペアに勝つ事だけを目標にしていた。他の人は、僕のところをラッキーゾーンとか言ってたけど、自分としては一回戦勝つのがやっとではないかと思っていた。

 一回戦を拙戦ながら勝ち、目標の二回戦。前の試合が悪かったし、この大会を通してもあまり良い状態でなかったので、幾分、開き直ってやった。それにドロー会議以来この試合を目標にやってきたので、思い切ってやる事ができた。試合はファイナルになり、やっとの事でマッチを握った。この時程、一本の貴さを感じた事はない。結局、棚田さんが豪快なトップ打ちを決めて勝つ事ができた。

 この勢いで次の試合も勝つ事ができ,四回戦で当たったのが、団体戦で負けた広修大のペア。「今度こそ」と、意気込んだが、またしても歯が立たず一ゲーム取るのがやっとだった。しかし負けたものの、一生懸命やったので、案外さっぱりした。やっぱり試合は、精一杯がんばるものだと思った。

 個人戦が終わってみれば、男子は16本が一つもなく、女子もシートが守れず残念だったが、殆んどのペアが一度は勝ってくれて、その点では良かった。

 最終日は、雨が降ったものの、皆がコート整備をやってくれて、どうにか決勝戦まで行う事ができた。

 中選を終わってみて感じるのは、大きな試合を運営するのは本当に大変だけど、皆がその試合を目標にして練習できるので、年に一回は試合を運営できたら良いのにという事である。今年は、運営する試含はないけど、中選では男子A・Bチームがシードをもらえるし、女子は三本シードと、大きなシードがもらえるので、どうか、中選を目指して練習してほしいと思う。

 最後に、一・二年生の皆さん、コート整備他雑用をやってくれて、本当に御苦労さんでした。